八日目の蝉
角田光代/著 中央公論新社 2007-03 913.6
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか。理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。角田光代が全力で挑む長篇サスペンス。
基本的に気が小さい(?)のか、サスペンスドラマも追う方が主人公のものは好きでも、逃げる方が主人公のものは苦手で、映画もアクションものは苦手です。ついつい、なんとか解決しなくちゃと思うからでしょうか。苦しくて本が読めないって初めての経験でした。もうひとつは「切ない」という思いですね。人は人を愛することで生きる勇気や希望を持つけど、逆に愛せない辛さ、愛されない辛さがしみじみと感じられて切なかったです。
なかなか忘れられない一冊になりました。