津高図書館 - 行事

「車座」とは、人が輪になって内側を向き座ること。「車座トーク」は、生徒のみなさんと年齢・感覚の近い方や関心の高い分野で活躍されている専門家の方を「話し手」に、気軽に話をやりとりする場です。
津高の前身である津中学校は、津藩藩校の「有造館」の家屋を最初の学び舎にして1880年開校しました。その津中学の出身者に、百五銀行頭取で陶芸家としても名高い川喜田半泥子がいます。今回の車座トークは「スゴイ先輩編」と題し、有造館、斎藤拙堂、川喜田半泥子について、石水博物館の学芸員の桐田さんにお話いただきます。石水博物館所蔵の「有造館の刊行物」や「川喜田半泥子の作品」等の貴重な文化財も持参いただきます。
有造館の校風、川喜田半泥子の生き方は、現代の津高と津高生の中にも脈々と流れていることがわかるはずです。

■テーマ 有造館と川喜田半泥子
■話し手 桐田貴史 氏(公益財団法人 石水博物館 学芸員/東京大学史料編纂所共同研究員)
■日時  令和6年11月13日(水曜日)16時から17時
■会場  津高図書館
■対象  津高生
■定員  20名 申込制
■持ち物 今回、桐田さんの同席の元、200年前の貴重な資料を手に取らせていただくことになりました。
     参加する人は、ハンカチ(事前に手を洗います)とマスク(息や唾液を防ぎます)を持ってきてください。


ポスター (クリックで拡大します)

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川喜田 半泥子(かわきた はんでいし)
 本名:川喜田 久太夫(きゅうだゆう)
 1878年    津の豪商・川喜田久太夫家の長男に生まれる。川喜田家は1626年以来、江戸で木綿を商い財を成した。
 1891年    三重県尋常中学校(現在の三重県立津高等学校)入学。在学中は同校に赴任していた藤島武二から洋画を学んだほか、写真に没頭。
 1899年    三重県立第一中学校退校。
 1900年    東京専門学校(現在の早稲田大学)に入学。翌年、退学し、妻・為賀と結婚。

 以後、1903年に百五銀行取締役に就任したのを皮切りに、政財界の要職を担う。1919年~1945年まで百五銀行頭取に在職。近代陶芸史を代表する陶芸家として知られ、数多くの茶陶を制作する。本来は茶の湯の宗匠が銘(名前)をつける茶碗に、自身で「これはしたり」などユーモアあふれる銘を与えて、楽しんだ。また、川喜田家やほかの伊勢商人が伝えた古文書や蔵書の収集・整理を行い、江戸時代の文化史や経営史を研究する。
 1963年10月    病没。享年85歳。

■話し手
桐田 貴史(きりた たかし)
■プロフィール
奈良県明日香村出身。修士(文学)。津の歴史や文化、川喜田半泥子を専門とする。2019年より公益財団法人 石水博物館に学芸員として勤務。2022年、「津八幡宮の名宝」、2024年「結城神社の至宝」ほか、現在まで16回の展覧会を担当。2022年4月より、東京大学史料編纂所共同研究員を兼務。